営業時間を過ぎてから「駐車場はありますか」という電話が鳴る。予約の空き状況を聞かれて、同じ説明を一日に何度も繰り返す。こういった問い合わせ対応に疲れている店舗オーナーは少なくないはずだ。実はGoogleビジネスプロフィール、通称GBPにはQ&A機能という項目があり、ここを整えるだけで電話対応の手間がかなり減らせる。
GBPのQ&Aは、地図上の店舗情報ページに表示される質問と回答の欄のことで、誰でも質問を投稿でき、誰でも回答できる仕組みになっている。厄介なのは、店舗側が何も書き込まなければ、通りすがりのユーザーが的外れな回答をつけてしまうことがある点だ。ある整体院では、実際には対応していない自由診療のメニューについて、別の利用者が誤った情報を書き込んでしまい、それを信じた新規患者から苦情に近い問い合わせが来たことがあった。放置とは、こういうリスクを抱え続けることでもある。
Q&A欄に何を書けばいいのか迷ったときの探し方
まず取り組むべきは、自分の店に何が聞かれているかを洗い出す作業だ。電話の受け答えを振り返ってみる。予約の取り方、駐車場の有無、支払い方法、子供連れの可否、こういった質問は業種を問わず出てくる。次に、口コミの中に紛れている質問めいた文章も拾っておく。「もっと早く開いていたら」という一文は、営業時間についての潜在的な疑問と読み替えられる。
そのうえで、競合店のQ&A欄を覗いてみるのも悪くない。同じ商圏の店がどんな質問を受けているかを見れば、自分の店でも同じことを聞かれる可能性に気づける。飲食店であれば予約の可否や個室の有無、美容室ならシャンプー台の座り心地やカラー剤のアレルギー対応など、業種特有の質問パターンが見えてくる。飲食店の集客導線については飲食店MEO対策|Googleマップで上位表示される7つの要因でも触れているが、Q&Aもその導線の一部だと捉えると整理しやすい。
自問自答で質問と回答を仕込む
GBPのQ&Aは、自分の店のアカウントから質問を投稿し、自分で回答することができる。いわゆる自問自答だ。これを行儀が悪いと感じる人もいるが、実際には多くの店がこの方法でよくある質問を先回りして埋めている。まず質問文を作る。次に、その質問に対する回答を、電話口で話すのと同じ調子で書く。硬い言葉を並べるより、店の人柄が伝わる書き方のほうが読まれやすい。
そのうえで、回答には具体的な数字を入れておくと親切だ。「駐車場はあります」だけでなく「4台分の専用駐車場があります」と書けば、来店前の不安が減る。「予約はお早めに」ではなく「土日は3日前までのご予約をおすすめしています」と書けば、行動につながる。この仕込みを5個から10個ほど用意しておくと、たいていの初歩的な問い合わせはカバーできる。
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自分で仕込んだ質問だけでなく、実際に利用者から投稿される質問にも目を配る必要がある。まず通知設定を確認する。GBPの管理画面やアプリで、新しい質問が来たときに通知が届くようにしておけば、見落としを防げる。次に、回答は早めに、そして丁寧に返す。放置された質問が長く表示されたままだと、それだけで店の対応の遅さを印象づけてしまう。
回答の文面は、口コミへの返信と同じ意識で書くとうまくいく。悪い口コミへの返信の型については悪い口コミへの返信例文10選|逆に信頼を勝ち取る方法でも触れているが、Q&Aの返信も読み手は投稿者一人ではなく、その後ページを見る全員だという前提で書くのがコツだ。ある美容室では、アレルギーに関する質問に対して「パッチテストを事前にご案内しています」と丁寧に答えたところ、その回答自体が安心材料となり、来店予約が増えたという声もあった。こうした口コミや質問への返信を積み重ねる運用については美容室のGoogle口コミを3ヶ月で50件増やした施策を公開でも具体的な事例を紹介している。
定期的な見直しで古い情報を放置しない
Q&A欄は一度作って終わりにできない。営業時間が変わる、メニューが変わる、支払い方法が増える、そのたびに古い回答が誤情報として残ってしまう。まず月に一度、Q&A欄全体を読み返す時間を作る。次に、実態と食い違っている回答を見つけたら、その場で書き換える。そのうえで、新しく増えた質問パターンがないか、直近の口コミや電話対応の記録と照らし合わせる。
このサイクルを回している店とそうでない店とでは、半年もすると問い合わせの質が変わってくる。前者は予約や来店に直結する質問が増え、後者は基本情報の確認電話が減らない。GBP全体の整備状況をチェックしたい場合はGoogleビジネスプロフィール最適化チェックリスト20項目を使って、Q&A以外の項目も一緒に見直しておくと抜け漏れが少なくなる。
問い合わせの電話に追われる毎日から、少しだけ距離を置きたいと思ったら、まずはQ&A欄を開いてみてほしい。誰かがすでに書き込んだ質問が、次の一手を教えてくれることもある。